オールドコースについて
ゴルファーなら一度は夢見る
オールドコース ゴルフ聖地巡礼の旅
オールドコースでのプレイはまさに厳かな儀式だ。
1番ホールを見守るように建つR&Aの建物に威圧感さえ感じ、百戦錬磨の強者プレイヤーでさえ緊張する。名前を呼ばれるといよいよティーショットだ。“神の手”が造ったといわれる舞台で18ホールのドラマが始まる。
オールドコース・コースガイド
長い年月をかけてリンクス特有の強い風によって作られたオールドコース。 フェアウェイは広いものの、微妙なアンジュレーションがあり 頻繁に向きと強さを変える風がプレイヤーを悩ませる。 そして112個のバンカーが待ち受ける。 そんな難コースの各ホールの特徴を知っておこう。
コースを熟知したキャディと聖地を回る楽しみ
初めてのコース、それも聖地でのラウンドにはコースを熟知した公認キャディの存在が欠かせない。彼らは夢のラウンドを支える良きパートナーといえるだろう。
オールドコースデビューの1日
ティーチングプロ、植村啓太氏が体験したオールドコース
ティーチングプロとして活躍中の植村啓太氏。彼は2000年の全英オープンで今野康晴プロのキャディとしてオールドコースを体験。そして2002年には自身もプレイしている。ティーチングプロならではの視点で、オールドコースでの経験を語ってもらおう。
オールドコースはなぜ「聖地」と 呼ばれるのか?
ゴルフの起源に諸説あり最古のコースも実は不明
「スコットランドはゴルフ発祥の地である」「オールドコースは世界最古のゴルフコースである」というのは、実はいずれも定かではない。起源については、スコットランドの羊飼いの遊びが起源という説以外に、オランダ説、エジプト説、中国説など諸説ある。現在のところはオランダ説が有力で、スコットランドがヨーロッパ各地と交易を盛んに行なっていた頃に海を越えて渡ってきたというものだ。ゴルフクラブについてはエディンバラ郊外のリースリンクスで誕生した組織が記録に残る最古のものとされているが、「最古のコース」については、いまだに歴史家や愛好家たちの議論の対象である。
セントアンドリュースまでの道のり
日本からセントアンドリュースまでは思った以上に近い。日本から12時間でロンドンに着いたら、飛行機もしくは鉄道でスコットランドの首都エディンバラへ。ヨーロッパでも屈指の美しさを誇る世界遺産の都市からセントアンドリュースまではわずか1時間半の道のりだ。
オールドコースの次はこのコースへ
ニューコース(THE NEW COURSE)
ニューコースと称されるゴルフコースでもっとも古いリンクスコース
名前は「ニュー」だが、その歴史は1895年にトムモリスの設計で誕生したという、100年以上の歴史を持つコース。クラシカルなゴーイングアウト、カミングインのレイアウトで、3番と15番はオールドコースのようにダブルフェアウェイとダブルグリーン。コンディションとタフさはオールドコース並み。その独特のアンジュレーションがオールドコースと似ているとも言われており、難易度の高さからニューコースでの全英オープンやメジャートーナメントの開催を求める声も多い。
ジュビリーコース(THE JUBILEE COURSE)
ゴルファーを魅了するオールドコース並みの難易度
ヴィクトリア女王のシルバージュビリー(即位25周年)を記念して名付けられ、1897年にオープンしたコース。1988年に現在のレイアウトにコースが改修された。セントアンドリュース湾に最も近く景観は素晴らしいが、それだけに独特の海風の影響を受けるので難易度は高い。チャレンジ精神のあるタフなゴルファー向きで、リンクスコースを知るにはうってつけ。特に6番ホールは長く手強い。
キャッスルコース(THE CASTLE COURSE)
海越えのホールもあるクリフトップの難コース
セントアンドリュース湾と北海を望むドラマティックな絶景の上に広がり、美しい景観とエキサイティングなコースの両方を楽しめるコース。スコットランドの代表的なコース設計者デイヴィッド・マクレイ・キッドが手掛け、2008年にオープン。1.6km以上のウォーターフロント、起伏のある海岸線が舞台の難コース。眼前に80フィート以上の湾越えのティーショットを要求されるホールもある。ユニークでチャレンジを存分に楽しめるコースをお望みなら、ここがおすすめ。
キングスバーンズ(KINGBARNS)
ダンヒルカップの舞台でもある究極のリンクスコース
セントアンドリュースから6マイル離れた海沿いの雄大な土地に、アメリカ屈指のコース設計者カイル・フィリップスがデザインしたコース。戦中、戦後と歴史の流れで荒れ果てていたコースが巨大なバンカー群、起伏のあるフェアウェイなど、エンターテイメント性が高い究極のリンクスコースとして甦った。4日間を3コースで競う「アルフレッドダンヒル・リンクス・チャンピオンシップ」の開催コースとなっている。
カーヌスティ(CARNOUSTIE)
全英オープン7回開催いくつもの伝説が誕生したコース
セントアンドリュースの北、ダンディーの町から30分の場所に位置するカーヌスティ。ここでは1931年から過去7回全英オープンが開催されており、数々の逸話が残されている。1953年の全英オープンはベン・ホーガンが制し、6番ホールは「ホーガンの道」と呼ばれている。2007年大会では死闘の末、パドレイグ・ハリントンがクラレットジャグを手中に収め、カーヌスティの難易度を知らしめたことは記憶に新しい。
セントアンドリュースの楽しみ方
ミュージアム&ショップ
オールドコースショップ(THE OLD COURSE SHOP)
トム モリスショップの隣にあるオールドコース ショップは、公式グッズが充実。ウェアはもちろんボール、マーカー、ディボットツールなど、目移りするほどにアイテムが揃っている。広々とした店内には、ピータースコットのニットウェアやホーウィックのカシミヤ商品など、スコットランドが誇るブランドアイテムも揃い、お土産探しにぴったり。
ミュージアム&ショップ
トムモリス ショップ(T. MORRIS SHOP)
オールドコースの18番のグリーン脇に位置する、世界で最初のゴルフショップが「トム モリス ショップ」。1866年の創業以来、150年近くも営業を続けており、2011年にリニューアルオープン。店内の改装中に発見されたという、クラブ製作用の作業台やロッカーなど、トム モリス本人の愛用品も店内に展示されており、ミニ博物館としても楽しめる。
ミュージアム&ショップ
ブリティッシュ ゴルフ ミュージアム(BRITISH GOLF MUSEUM)
ゴルフ愛好家にはたまらないコレクション充実のミュージアム
小さい町ながら世界中からゴルフ愛好家が訪れるセントアンドリュース。 ここでの楽しみは、聖地オールドコースでのゴルフだけではない。 数百年にも及ぶゴルフの歴史に触れ、聖地滞在の思い出になるお土産探しも楽しいものだ。
スコットランドを味わう
ジガーイン(JIGGER INN)
有名ゴルファーも立ち寄るパブでラウンド後の一杯を味わう
オールドコースホテルに併設されている、スコティッシュパブ「ジガーイン」。ここはオールドコースを訪れるゴルファーが一度は立ち寄るパブでもある。建物は1846年築、かつてホテルの場所にセントアンドリュース駅があった頃は駅長の宿舎として使われていた。その後、パブへと生まれ変わり、現在は〝19番ホール〟の愛称で世界中のゴルファーたちに親しまれ、数多くの有名ゴルファーも訪れている。
スコットランドを味わう
スウィルカン レストラン(SWILCAN RESTAURANT)
カジュアルな雰囲気で楽しめるクラブハウス レストラン
オールドコースの2番ホール脇に位置するリンクス クラブハウス内の「スウィルカン レストラン」。カジュアルな雰囲気いっぱいの店内、大きな窓から見えるオールドコースとニューコースのパノラマビューが印象的で、ゴルファーだけでなく観光客や地元の人々も多く訪れる。プレイ前のコーヒータイムはもちろん、オールドコースを眺めながらのランチやカジュアルなディナーにもおすすめだ。
スコットランドを味わう
オールドコースホテル(OLD COURSE HOTEL)
コースを見守るように建つ最高級ホテルで贅沢なひとときを
オールドコースの17番ホール脇に建つ5つ星ホテル「オールドコースホテル」では、スコットランドの味を存分に堪能できる。1日の始まりには肉厚のベーコンやソーセージが添えられたスコティッシュブレックファストを。ディナーなら、質の高い料理が楽しめると評判の「サンズグリル」へ。地元産の高級かつ旬の食材を使用したメニューのなかでも特にビーフとシーフードは絶品。仲間同士のカジュアルな集まりから特別なディナーにも最適。カウンターバーもあり、ディナー後にゆっくりとスコッチ片手にくつろげる。
オールドコース以外の名門コース
ターンベリー ゴルフクラブ
英国のペブルビーチと称される難コース
5つ星ホテルを備えるスコットランドの一大リゾート。8番から11番までは海辺の断崖沿いにコースが広がり、「英国のペブルビーチ」と表現される。ホテル滞在者用にエステ、乗馬、料理スクールなどもあり、滞在型のリゾートライフが楽しめる。
グレンイーグルス
スコットランドを代表するゴルフリゾート
「ハイランド地方のリビエラ」と称されるグレンイーグルスは、スコットランド屈指のゴルフリゾート。エディンバラから約1時間半というロケーションにあり、世界各地からゲストが訪れる。3つのチャンピオンシップコースを備え、2014年にはライダーカップも開催される。
ロイヤルトゥルーン ゴルフクラブ
スコットランドにはオールドコースの他にも名門コースがいくつもある。 イギリスを代表するゴルフリゾートから、全英オープンの黎明期を支えてきた伝統と格式のコースまで、同じリンクスでありながらそれぞれに異なった特色がある
プレストウィック ゴルフクラブ
記念すべき第1回大会の開催コース
1860年に第1回の全英オープンが開催されて以来、24回大会まで全英オープンの開催地となっていたコース。当時は12ホールのコースだったが、そのうちのいくつかは現在もコースとして使われている。
ファザー&サン トーナメント
親子でゴルフの腕を競う
ファザー&サン トーナメント
セントアンドリュースには伝説の父子がいる。1800年代に活躍した伝説のゴルファー、トム モリス親子だ。2人の活躍を讃えて、オールドコースでは毎年、父親と息子がペアで参加できるトーナメントが開催されている。